省エネルギー建築・ZEB

限りあるエネルギーを有効に使うことで、気候変動対策に貢献します

日本では、2030年度までに温室効果ガスを2013年度比で46%減少させること、そして2050年までにカーボンニュートラルを実現させるという目標を掲げています。
大林組は、建物で使うエネルギーを減らす、エネルギーを創る、エネルギーを貯める技術を組み合わせて、お客さまの建物にあったZEB(Net Zero Energy Building:ゼロエネルギービル)を提案いたします。

ZEBのメリット

ZEBとは、室内環境の快適性を保ちながら、エネルギー消費量を大幅に削減する省エネと、再生可能エネルギーの導入によりエネルギー自給をはかり、一次エネルギーの年間収支をゼロにすることをめざす建物です。
ZEBの実現により、多くのメリットが得られます。

■ZEBのレベル分類

ZEBは、エネルギー削減の達成度により4段階に分類されます。

■ZEBのメリット

建物オーナー様には多くの直接的、間接的メリットが生じます。

企業価値の向上、SDGs・ESGへの貢献

環境に配慮し社会に貢献する企業として、顧客・株主・投資家などからの支持を獲得し、信頼と期待に応えることができます。

  • カーボンニュートラルへの貢献

    二酸化炭素(CO2)排出量を削減し、カーポンニュートラル、脱炭素社会の実現に貢献できます。

  • 快適性・知的生産性の向上

    高断熱・自然光利用などにより心地よい室内環境を実現し、知的生産性向上が期待できます。

  • 建物資産価値の向上

    環境に配慮した建物を求めるテナントや投資家が増えています。

  • 省エネ意識の啓発

    建物入居者・利用者・職員などへの省エネ意識の啓発が期待できます。

  • 光熱費の削減

    室内環境の質を維持・向上しつつ、光熱費を削減できます。

  • 災害時の事業継続性の向上

    少ないエネルギー消費で運用可能となるため、災害時でも建物機能を維持しやすくなります。

■補助事業・税制

日本は、エネルギー基本計画やパリ協定における温室効果ガス削減目標の達成に向けてZEB の実現・普及を推進しています。経済産業省・環境省による「ZEB実現に向けた先進的省エネルギー建築物実証事業」のほか、国土交通省や地方自治体も省エネルギー化やCO2 排出量削減に関してさまざまな補助金や税制優遇措置などの制度を設けています。
これらを有効に活用することで、費用負担を軽減しながらZEB化を進めることができます。

ZEBを実現する技術

ZEB 達成のために3つの観点からエネルギー消費量の削減をめざします。
建物用途や特性に応じて、省エネルギー技術の最適な組み合わせをご提案し、地球にやさしく、心地よい建物をプロデュースします。

■必要なエネルギーを減らす

建物に導入する照明・空調・換気設備の設備容量を最適化します。

    • 日射遮蘞(しゃへい)
    • ダブルスキン
    • エアフローウィンドウ
    • Low-e ガラス
    • 高断熱・高気密
    • 建物配置や平面計画の適正化
    • 屋上緑化・壁面緑化
  • 日射遮蔽・外皮断熱(外装デザインの最適化)

    庇やルーバー、ダブルスキンなどにより、日照・日射を遮蔽し、断熱を強化することで熱負荷を軽減します。当社開発のシミュレーションシステム「エコシミュレ」によって、外装デザインと空調・照明計画の最適化を図ることができます。

  • 明るさによる照明設計

    人が感じる「明るさ感」をもとに、室内の光環境を評価します。内装色や配光を工夫することにより天井や壁面を効率よく明るくすることで、照明器具の消費電力を低減することができます。

  • 建物配置や平面計画の適正化

    日射抑制や自然採光・通風に配慮し、建物配置や向きを適正化するとともに、ぺリメータ(建物外周部)を熱的な援和空間(バッファゾーン)としてとらえ、室温和による省エネ化など、環境に配慮したプランニングを行います。

■エネルギーの無駄使いをなくす

高効率システムとBEMS活用によって運用エネルギーを削減します。

    • タスク・アンビエント照明・空調
    • 照明・空調の在・不在制御
    • 設備機器の台数制御
    • 高効率機器・LED照明
    • 全熱交換器
    • 外気導入量制御(CO2制御)
    • 輻射空調
    • コージェネレーションシステム
    • エネルギー使用量の見える化
  • タスク・アンビエント照明・空調

    個人領域のみ明るさ、涼しさ(暖かさ)を保ち、消費エネルギーを低減することができます。

  • 照明・空調の在・不在制御

    在室者の有無を検知し、照明・空調を制します。

  • エネルギー使用量の見える化

    当社開発の遠隔BEMSシステムでは、電力・温湿度などの建物の運用データをクラウドサーバ上で一元的に管理・分析できます。蓄積された情報から無駄の発見やその改善を行い、省エネルギーの運用を支援することができます。

■自然エネルギーを活用する

自然エネルギーを使用して、照明・空調・換気をします。

    • 自然採光
    • 自然換気
    • 外気冷房
    • クールピット
    • 太陽熱利用
    • 地中熱利用
    • 地下水利用
    • 風力発電
    • 太陽光発電
  • 自然採光

    窓の配置計画やアトリウム、トップライトの設置により、室内に十分な採光を得られる計画とします。自然光を利用することで照明器具の消費電力を低減することができます。

  • 自然換気

    春や秋の屋外がここちよい季節には建物の内部にも風が抜ける計画とします。自然の風を利用することで空調や換気に必要な消費エネルギーを削減することができます。

  • 地中熱利用

    地中は年間を通して温度が一定のため、大気中に比較して夏は涼しく冬は暖かくなっています。空調の熱源として地中熱を利用します。

  • クールピット

    屋外環境と比べて建物の地下ピットは、夏は涼しく、冬は暖かくなっています。この地下ピットから外気を導入することで、空調設備の消費エネルギーを低減することができます。

実績

当社施工実績の一部をご紹介します。
①所在地②用途③規模④発注者⑤設計者⑥施工者 ⑦補助金事業

  • 大林組技術研究所本館

    竣工年月:2010年9月
    ZEBのクラス:『ZEB』(基準値から100%削減)
    日本初!本格的なエネルギー収支ゼロを達成。
    竣工依頼毎年『ZEB』(敷地内で収支ゼロ)を達成中です。
    ①東京都清瀬市②研究所 ③S造3F、5,535m2
    ④大林組⑤大林組 ⑥大林組⑦-

  • Port Plus 大林組横浜研修所

    竣工年月:2022年3月
    ZEBのクラス:ZEB Ready(基準値から56%削減)
    ①神奈川県横浜市 ②研修所 ③純木造11F/B1F、3,502m2
    ④大林組⑤大林組 ⑥大林組 ⑦令和元年度サステナブル建築物先導事業(木造先導型) 平成31年度CLT活用建築物実証事業

  • oak港南品川

    竣工年月:2022年7月
    ZEBのクラス:ZEB Ready(基準値から58%削減)
    ①東京都港区 ②事務所(貸ビル)③S造12F/B1F、16,334m2
    ④大林新星和不動産 ⑤大林組 ⑥大林組 ⑦ -

  • 横浜シンフォステージ(オフィス部分)

    竣工年月:2024年3月
    ZEBのクラス:ZEB Ready(基準値から50%削減)
    ①神奈川県横浜市 ②事務所 ③S造(一部RC造)30F/B1F、182,971m2 ④大林組、京浜急行電鉄、日鉄興和不動産、ヤマハ、みなとみらい53EAST合同会社⑤大林組 ⑥大林組 ⑦-

  • oak神田鍛冶町

    竣工年月:2017年8月
    ZEBのクラス:ZEB Ready(基準値から61%削減)
    ①東京都千代田区②オフィス③S造(一部RC造)8,158m2
    ④大林新星和不動産 ⑤大林組 ⑥大林組⑦-

  • クボタ グローバル技術研究所

    竣工年月:2022年7月
    ZEBのクラス(事務所):『ZEB』(基準値から109%削減)
    ZEBのクラス(全体):Nearly ZEB(基準値から76%削減)
    ①大阪府堺市 ②研究施設他 ③S造7F、94,047m2(研究所棟のみ)
    ④クボタ⑤大林組 ⑥大林組 ⑦ -

  • 三井不動産ロジスティクスパーク船橋Ⅲ

    竣工年月:2021年6月
    ZEBのクラス:ZEB Ready(基準値から70%削減)
    ①千葉県船橋市 ②物流施設 ③RC造(一部S造)8F、268,409m2④三井不動産 ⑤大林組 ⑥大林組 ⑦ -

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