科学技術分野の文部科学大臣表彰で科学技術賞を受賞

二酸化炭素を削減する環境配慮型の先端材料「クリーンクリート」

サステナビリティ

4月15日、大林組の「混和材を高含有した低炭素型のコンクリートの開発」が、2015年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)を受賞しました。

表彰式で祝辞を述べる下村博文文部科学相

表彰式で祝辞を述べる下村博文文部科学相

コンクリートを構成するもの

セメントは製造時に多くのCO2を排出(セメント1t当たり約750kgのCO2を排出)。日本のCO2排出量のうちセメント産業の排出量は約3.7%を占めます

クリーンクリートはセメントの代わりに、製鉄所の副産物として発生する高炉スラグ微粉末などの混和材を使用します

クリーンクリートはセメントの代わりに、製鉄所の副産物として発生する高炉スラグ微粉末などの混和材を使用します

科学技術分野の文部科学大臣表彰は、文部科学省が、わが国の科学技術水準の向上に寄与することを目的に、科学技術に関する研究開発、理解増進などにおいて顕著な成果を収めた個人または団体を表彰するものです。

科学技術賞(開発部門)は、社会経済や国民生活の発展向上などに寄与し、実際に利活用されている画期的な研究開発や発明を対象に贈られます。

クリーンクリートは、建設工事における主要材料の一つであるコンクリートの低炭素化をめざし、コンクリートの構成材料である結合材のセメントの70%を、産業副産物(混和材)に置き換えたものです。これにより一般的なコンクリートと比べて、CO2排出量を60%~80%削減できます。

今回の受賞は、クリーンクリートが環境配慮型の先端材料であり、二酸化炭素の削減技術として環境改善に寄与することが高く評価され科学技術賞に選定されました。

大林組はこれからも、環境に貢献する技術を開発し、日本の科学技術水準の向上に貢献できるよう努めてまいります。

【科学技術賞 開発部門 受賞】

業績名:混和材を高含有した低炭素型のコンクリートの開発

クリーンクリートの主な適用事例

クリーンクリートは、環境改善に貢献する低炭素型のコンクリートでありながら、一般的なコンクリートと同等以上の強度を確保できます。また、セメント使用量を減らすことでセメントによる反応熱を抑えられ、温度上昇に伴うコンクリートのひび割れの発生も防げます。これまでに約4万5000m³が適用されています。

廃棄物処理施設の機械基礎

廃棄物処理施設の機械基礎
(2012年2月竣工)

oak omotesando(オーク表参道)の地下躯体

oak omotesandoの地下躯体
(2013年3月竣工)

技術研究所オープンラボ 2

技術研究所オープンラボ 2のPCa外壁ほか(2014年5月)

押部谷太陽光発電所の架台基礎

押部谷太陽光発電所の架台基礎(2014年7月竣工)

大林組東京機械工場の基礎

大林組東京機械工場の基礎
(2015年12月竣工予定)

紀尾井町プロジェクト

紀尾井町プロジェクト(住宅)の基礎(2016年5月竣工予定)