火災から守る

日常に溶け込みながら利用者を守る、火災安全技術を提案します

建築物で火災が発生した場合、人的被害の中心である煙(視界の低下、有毒ガスの誘引)への対策が重要です。また近年、脱炭素社会の実現の一つとして建築物における木質材料の活用が求められています。これらを実現するためには、利用者の視点に立った避難施設計画、木材の燃え方の特徴を捉えた内装計画、煙の拡散を防止するための防煙区画計画など、総合的な避難安全性の評価が必要であると大林組は考えます。

火災から守る最先端の技術

■避難行動支援・予測技術

建物の規模・用途などの条件に応じて、最適な避難行動支援手法を提案し、人の流れを予測します

  • 避難誘導灯:出口を見つけやすくする(誘導灯の計画)
    位置や見る方向などによる誘導灯の見えやすさ評価に基づき、合理的な誘導灯の配置計画を支援します。
  • 誘導灯の見えやすさのイメージ
  • 見えやすさを定量化した例
    見えやすさを定量化した例(事務所を想定した誘導灯の見やすさレベルLvisの分布)
  • 大規模人流予測技術:人の流れを予測する(ゾーンモデル)
    アリーナなどの大規模群集の退出性状や滞留箇所を短期間で高精度に予測します。
  • ゾーンモデルの考え方
  • 3層アリーナの退出性状
  • 高層建築物の人流予測技術:高層建築物の人の流れをみる
    階段内の滞留性状を予測することで、階段計画の合理化などを実現します。
  • 全館避難のイメージ
  • 階段内の避難性状(上から撮影)

■内装材の燃焼抑制技術

⽕災室の可燃物量・⽤途などに応じて、最適な内装材の燃焼抑制⼿法を提案します。

  • 燃焼評価技術:内装材の燃え⽅をみる
    ⽊質内装の燃え広がり性状を評価し、不燃処理せずに⽊質内装を実現します。
  • 壁が⽊質内装の場合の燃焼性状
  • 天井木ルーバの場合の燃焼性状
  • 燃焼抑制技術:スプリンクラー設備により⽕災拡⼤を抑制する
    スプリンクラー設備が作動した場合の、燃焼抑制効果を定量的に評価し、内装制限の緩和や排煙設備の合理化を図ります。
  • 散⽔実験の様⼦(全⾯⽊質内装、排煙設備なし)

■煙制御・予測技術

建物の規模・⽤途などの条件に応じて、最適な煙制御⼿法を提案し、煙の流れを予測します。

  • 煙制御技術:煙や炎の拡散を防⽌する
    ⽕災が発⽣した階の在館者が避難階段までの避難を完了するために要する時間は最⼤でも10分と⾔われています。ガラス⽬地に直径30mmの⾦具を取り付けた連装ガラスパーティションは、⽕炎などに10分間曝されたとしても、熱変形や漏煙を抑制します。居室と廊下の間のガラス間仕切りとして適⽤すれば、避難安全性と意匠性を保ちつつ、排煙設備や内装制限を緩和できます。
  • 開発品と従来の防⽕設備(参考)
  • 連装でも670℃の⽕炎や煙をシャットアウト
  • 煙流動性状予測:煙の流れを見る(数値解析)
    建物内の火災時の煙流動を、高精度に予測します。
  • 竪穴を介した煙流動の予測図(1分経過)
  • 竪穴を介した煙流動の予測図(3分経過)
  • 簡易予測技術:煙の流れを瞬時に予測する
    簡易かつ高精度な煙流動予測手法によりあらかじめ安全性を検討することで、プラン変更にも即座に対応可能な設計自由度の高いフロアプランを実現します。
  • 煙流動予測の概念および実験状況
  • あらかじめの検討の適用イメージ(あらかじめ安全性についての検討を行い、間仕切壁の位置の変更を見込んだ大臣認定を取得する)

検索