建物を揺れから守る

免震技術:建物を地震の揺れから隔離

建物を地震の揺れから隔離

免震構造は、地盤と建物の間に設置された積層ゴム等の免震装置が地震の揺れを吸収し、建物に伝わりにくいようにするシステムです。大林組は、建物の免震から免震床システム・展示免震台まで、各種免震構造技術で情報化時代の社会と文化をしっかりと守ります。

免震技術

両面転がり支承

  • 荷重を支持する鋼球が上下の転がり板の間で転がることにより、地震の揺れが上部建物に伝わらないようにする支承装置です。
  • シンプルな構造でローコストなうえ、メンテナンスも必要ありません。
  • 摩擦係数が小さく安定しています。
  • 支持荷重が小さい中・低層の建物に有効です。
  • 鋼球の変位量が滑り支承の半分となるため、装置がコンパクトで省スペースです。

画面転がり支承の構成

コンクリート柱での使用

コンクリート柱での使用

上側転がり板を外した状態

上側転がり板を外した状態

 

摩擦皿ばねダンパー、多段摩擦ダンパー、免震用ブレーキダンパー

  • 皿ばねの反発力で滑り面を押し付けて摩擦力を発生させ、この摩擦力で建物の揺れを抑制する減衰装置です。
  • 建物荷重が変動したり積層ゴムの高さに変化が生じたりしても、皿ばねの特性で一定の摩擦力を得ることができ、常時安定した減衰性能を発揮します。
  • 必要な減衰力や設置スペースの条件に応じて、単独の「摩擦皿ばねダンパー」と、摩擦力発生部が複数箇所・複数層あり500kN以上の大容量にも対応できる「多段摩擦ダンパー」・「免震用ブレーキダンパー」があります。

コンクリート柱での使用

摩擦皿ばねダンパー

上側転がり板を外した状態

多段摩擦ダンパー(4点・3段)

 

免震積層ゴム用耐火被覆「ファイヤーキャッチ」

  • 免震積層ゴムに耐火被覆を施すことで、免震層を駐車場や倉庫として有効利用できるようになります。
  • ファイヤーキャッチはポリイソブチレンゴム製です。免震積層ゴムの水平変形に追従しながら、火災時には発泡して耐火性能を発揮し、積層ゴムを保護します。
  • 積層ゴムの歪み±250%に追従します。
  • ローコストなうえ施工性に優れ、積層ゴムの点検管理も容易です。

水平変位:+250%

水平変位:+250%

水平変位:0%復元

水平変位:0%復元

高性能展示免震台

  • 地震による振動を低減し、貴重な文化財や美術品、骨董品などを守ります。
  • 超高層ビルや軟弱地盤に建設された建物での展示に最適です。
  • OAフロアの空間を利用して、装置の各部分をコンパクトに収める仕組みとなっています。大地震時にはフロア上部にある2枚の免震台が連動し、X・Y方向別々の動きをすることで、あらゆる方向の地震動から展示品を守ります。

高性能展示免震台

免震システムの構造

平常時

地震時

 

適用実績

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NHK神戸新放送会館

NHK神戸放送会館
(S造、3F、延床5,222m2

免震概要
鉛プラグ入り積層ゴム 20台
両面転がり支承 12台
摩擦皿ばねダンパー 4台

神奈川県立保健福祉大学

神奈川県立保健福祉大学
(S・SRC造、6F、延床4万1,861m2

免震概要
天然ゴム系積層ゴム104台
オイルダンパー64台
摩擦皿バネダンパー20台

表参道ヒルズ

表参道ヒルズ
(SRC・RC・S造、6F・B6F、延床3万4,061m2

免震概要
中間階免震(4F床下)
天然ゴム系積層ゴム20台
粘性ダンパー16台