発酵食品製造施設
安全・安心な食品製造施設を、確かな技術力でカタチにします
大林組は確かな技術力と豊富な実績をもとに、お客様の要望に応える最適な生産施設を実現してきました。計画する施設の生産品目や製造工程の特性に合った施設計画と生産設備計画により、高効率な製造施設を提供します。
発酵食品製造の特徴を理解した施設計画と生産設備計画
焼酎 清酒 味噌(みそ) ビール ワイン
施設計画
発酵食品の製造施設は、発酵・熟成・貯蔵工程があり、その工程ごとに一定量をまとめて生産するバッチ生産で製造することが共通した特徴です。伝統的な製法は小さいバッチサイズ、近代的な製法は大きいバッチサイズで運用される傾向があります。
小さいバッチサイズでの製造施設は、施設規模が小さく平屋の建物になることが多いため、製造室の平面的な機能相関や室内の生産設備の構成などを考慮し、平面プランを重視して計画します。
大きいバッチサイズでの製造施設は、発酵・熟成・貯蔵の各設備が大きくなる傾向があることから、立体的な配置を重視して計画します。
生産設備計画
生産設備の計画においては、お客様へのヒアリングや既存施設の調査などを通して生産に関わる条件を整理し、お客様のニーズを的確に把握します。生産ラインを理解し、生産量に沿って各工程での処理量を算定した上で、各工程の生産機器や保管設備の比較・検討・選定を行います。微生物を利用するため、温湿度管理に配慮した設計をします。包装後の製品をパレタイズし、自動倉庫への搬入の自動化も検討可能です。生産設備の施工においては、工事監理と施工監理を適切に行い、品質の高い生産ラインを完成させます。
大林組は、過去の知見からのフィードバックも活かしながら、お客様に満足いただける生産設備の設計・施工を行います。
製造工程と対象設備
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蒸留機
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一次/二次仕込みタンク
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充填(てん)機
発酵食品製造施設の計画のポイント
1.こだわりの理解
お客様の創業以来の歴史や文化により、採用する製法や重要視する工程などが異なるため、既存工場の調査や従業員へのヒアリングなどを実施し、明文化されていない内容も含めてお客様のこだわりを理解し、施設計画に反映します。
2.タンクの配置計画
大型タンクは、製造工程上の最適配置と搬入据付の容易性が求められる上、構造計画に与える影響も大きいため、計画の初期段階から建築計画と合わせて配置を検討します。発酵や貯蔵用のタンクを多数レイアウトする場合は、作業動線を考慮しつつ面積効率のよい配置を計画します。将来のタンクの交換に配慮した搬入動線や搬入口も確保します。
3.製麹機の配置・構造計画(味噌製造施設)
製麹(せいぎく)機が平面的に大きい場合、広い設置面積と無柱空間が求められるため、製麹機の適切な配置と経済的な構造計画を行います。
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タンク室と製麹室の立体的な配置(味噌製造施設の例)
4.特有の製造プロセスに応じた配置・断面計画(ワイン製造施設)
ワイン製造施設では、果汁に圧力がかからないグラビティによる移送を目的に、発酵タンクの上部に除梗(じょこう)機を配置します。テロワールをはじめとしたワイン製造施設特有の製造プロセスを理解し、最適な配置・断面計画を行います。
5.排水に強い施設
原料の洗浄室など室内で水を使用する工程室や、加工時に高温排水が床面に排水される製造室については、排水状況に適した側溝レイアウトや高温排水に耐える床材の採用など、排水に強い施設を構築します。
床材は、洗浄性とともに作業者の転倒を防ぐ防滑性も求められるため、必要に応じてモックアップを作成し比較検討します。
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モックアップによる床材の比較検討