水資源

グローバルな社会課題として、人口の増加、企業による過剰な水資源の利用やそれに伴う汚染、気候変動に伴う水不足などにより、水供給の不安定化や水環境・生態系への影響が懸念されています。大林グループは、水資源の効率的な利用による使用量の削減に努めるとともに、水質管理を徹底することで環境負荷の低減に取り組みます。

水リスク対応と水利用計画

大林グループの主要事業である建設業では、生産拠点である建設現場が全国各地に存在し、それぞれの拠点において取水・排水を行うことになります。また、その工事の規模や用途、採用する工法などによって水の使用量も異なります。 建設工事の着工前には、営業部門が環境リスクに関するチェックシートを作成し、着工会議などにおいて関係者へ水の管理やリスク(当該地域における取水・排水量および水質の制限など)について情報共有を行っています。建設現場では、チェックシートを活用して適切な水利用計画を策定の上、水の循環利用や使用量・排水量の削減に努めるとともに、水質担当を選任して徹底した水質管理を行っています。

水質の適正管理

大林グループでは、水質管理を行う上で特に以下の点を重視し、水質汚濁の防止を図っています。

・法令の遵守

水質汚濁防止法・土壌汚染環境基準・建設工事講習災害防止対策要項などに則り、杭工事・掘削工事などによる地下水の汚染を防止します。

・施工計画の配慮

綿密な施工計画により、セメントやベントナイトなどの使用によって土壌や地下水が汚染しないよう徹底します。

・作業手順の遵守

建設機械への給油などの際には作業手順書を遵守し、油吸着マットなどを用意して万一の油流出に備えます。

・管理・調査の徹底

車両洗浄水など工事中に発生する排水は、自動排水中和装置によりpHを測定管理するなど必要に応じて排水中和処理を行い、放流水の水質を適正に管理します。

水資源の有効利用

建設現場では、雨水や湧水を工事機械、工具、タイヤ洗浄などに利用しています。また、技術研究所では、敷地内の豊富な地下水や雨水を緑地の散水やトイレの浄化水として活用しています。

水ストレス地域での事業活動

World Resource Institute(世界資源研究所)の「Aqueduct Water Risk Atlas」により、海外建設事業における水リスクを把握し、適切に水リスクを管理しています。

水ストレスが「極めて高い」または「高い」地域に所在する拠点は約35%でした(2023年10月時点)。当該地域においても、着工前に水リスクを関係者間で共有し、その地域に適した水利用計画を立案の上、工事を進めています。

NO 国・地域 プロジェクト/拠点数 水ストレスランク
1 アメリカ ワシントン州、ニューヨーク州ほか 65 ①低い
イリノイ州ほか 48 ②低~中
カリフォルニア州(北カリフォルニア)、オハイオ州 35 ③中~高
コロラド州、カリフォルニア州(南カリフォルニア)ほか 99 ⑤極めて高い
2 アメリカ グアム 7 データなし
3 カナダ オンタリオ州、ブリティッシュコロンビア州 68 ①低い
オンタリオ州(ミシサガ) 1 ④高
4 ニュージーランド オークランド 1 ①低い
5 オーストラリア シドニー 1 ④高
6 台湾 台北市、新北市ほか 10 ②低~中
7 インドネシア ジャカルタ、カラワンほか 20 ④高
8 シンガポール シンガポール 12 ①低い
9 カンボジア プノンペン 2 ①低い
10 ベトナム ハノイ、ホーチミン 17 ②低~中
11 タイ ラヨーン 1 ③中~高
バンコク、アユタヤ 10 ④高
チョンブリ―ほか 8 ⑤極めて高い
12 ミャンマー ヤンゴン 1 ③中~高
13 バングラデシュ ダッカ(ジャムナ川周辺) 1 ④高
ダッカ 1 ⑤極めて高い
14 カタール ドーハ 1 ⑤極めて高い
15 UAE ドバイ 1 ⑤極めて高い
水ストレスランク プロジェクト/拠点数 割合
①低い 148 36%
②低~中 75 18%
③中~高 37 9%
④高い 33 8%
⑤極めて高い 110 27%
データなし 7 2%

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