10 業績の回復
■―好決算を記録
昭和56年度(1981年度)9月期中間決算時点において、大林社長は『マンスリー大林』誌上において「創業90年を飛躍への節目に」と題し、業績発表を行い、次のとおり総括した。(要旨)
「中間期の受注量は目標に達しなかったが、本年は長期計画の初年度という大切な時期でもあるので、上期不足分を下期に加え通期目標を上方修正した。
完成工事高は前年同期を上回り、これに不動産収入を加えた売上高は目標を達成できた。一時落込みの著しかった完成工事利益率は10.9%と前期を1%ほど上回って回復したが、これは原価低減の努力の成果であり、心強い。
一方、一般管理費はかなりの増加となり、前年を大幅に上回る工事総利益をあげながら、営業利益段階では前年同期をわずかに上回るにとどまった。しかし、経常利益、当期利益とも前年同期を大きく上回ることができた。これは金融費用の改善によるところが大きいが、気を緩めることはできない。
借入金残高はようやく2,000億円の大台を切ることができた。完成工事利益率や借入金残高の低減にみられるように、体質改善の努力が実り、ようやく業績面に反映しつつある。しかし同業他社の業績の充実ぶりはめざましく、当社も目標をさらに高く掲げ、本年を節目として一層の努力を重ねていきたい。」
56年度上期に順調に回復した業績は、右表のとおり通期では受注高を除いてすべて目標を上回った。