大林組100年史

1993年に刊行された「大林組百年史」を電子化して収録しています(1991年以降の工事と資料編を除く)。
なお、社名・施設名などは、刊行時の表記のままとしていますので、あらかじめご了解下さい。

10 業績の回復

■―昭和54~57年度の実績

昭和53年度(1978年度)の業績を底として、当社の業績は54~56年度において受注高、売上高とも順調に伸び、経常利益、当期利益はともに急上昇を示した。すでに本章に述べたとおり、この時期には公共投資は伸び悩んだものの、代わって民間設備投資に積極性がみられ、大手建設業にとって好材料となったが、業績の回復は前記したようなさまざまな努力を積み重ねた成果であった。しかし、57年度からは景気低迷のもとに再び建設業冬の時代を経験することになるのである。

54~57年度の当社業績を表示すると次のとおりである。

■―好決算を記録

昭和56年度(1981年度)9月期中間決算時点において、大林社長は『マンスリー大林』誌上において「創業90年を飛躍への節目に」と題し、業績発表を行い、次のとおり総括した。(要旨)

「中間期の受注量は目標に達しなかったが、本年は長期計画の初年度という大切な時期でもあるので、上期不足分を下期に加え通期目標を上方修正した。

完成工事高は前年同期を上回り、これに不動産収入を加えた売上高は目標を達成できた。一時落込みの著しかった完成工事利益率は10.9%と前期を1%ほど上回って回復したが、これは原価低減の努力の成果であり、心強い。

一方、一般管理費はかなりの増加となり、前年を大幅に上回る工事総利益をあげながら、営業利益段階では前年同期をわずかに上回るにとどまった。しかし、経常利益、当期利益とも前年同期を大きく上回ることができた。これは金融費用の改善によるところが大きいが、気を緩めることはできない。

借入金残高はようやく2,000億円の大台を切ることができた。完成工事利益率や借入金残高の低減にみられるように、体質改善の努力が実り、ようやく業績面に反映しつつある。しかし同業他社の業績の充実ぶりはめざましく、当社も目標をさらに高く掲げ、本年を節目として一層の努力を重ねていきたい。」

56年度上期に順調に回復した業績は、右表のとおり通期では受注高を除いてすべて目標を上回った。

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