■―第2回転換社債とワラント債の発行
昭和50年(1975)以降の大量の赤字国債発行に伴い、わが国にも本格的な国債流通市場が形成され、金利の自由化が進むとともに、起債市場の弾力化や国際金融市場の発達が促された。また、55年末の新外為法の施行によって、海外での資金調達が自由化された。さらに、日本での社債発行の弾力化など資本市場自由化の要請があり、国内市場も海外市場に近づけるべく、発行形態、適債基準、担保等が徐々に弾力化された。
上記のような背景から、当社は、56年10月の第1回に続き58年5月に第2回無担保転換社債(100億円、利率5.1%、転換価額273円)を発行した。
翌59年4月にはユーロ市場において、米ドル建で5,000万ドルの新株引受権付社債(ワラント債:邦貨換算額約112億円、利率7.75%、行使価格244円)を発行した。当時の長期プライムレートは7.9%であったが、ドルの長期先物為替予約をすることにより、きわめて低利の資金調達をすることができた。
当社の60年3月期の借入金は1,344億円にまで減少し、金融収支の赤字も60億円に縮小した。これは金利の低下も大きな要因ではあるが、減量経営、渋滞債権の解消と並んで、低利の資金調達の効果でもあった。